2021.8.27
今回も、チャーターズの若手管理者が考える運送会社の課題について掲載させていただきます。
テーマは「荷主と運送会社の責任問題」です。それではどうぞ!
愛知県の物流で大半を占めるのが”自動車部品”です。
世界中で自動車のニーズは高く、昨今では電気や水素で動く車まで多種多様な自動車が多く存在します。
もちろんChartersでも輸送のご依頼を頂いており、定期輸送から不定期の特車運行などを行っています。
多様な荷物や荷主様があるため、それに伴い様々な事故や不具合やトラブルが発生することがあります。
Charterでは事故統計を月間ベースから年間ベースで作成しており、事故ゼロを目標に取り組みを行っています。
年々事故減少傾向にはありますが、正直なところ”ゼロ”にすることは、本当に難しいと常々感じております。
事故の内容としては、大きく分けてヒューマンエラー(人的要因)と物的要因の2種類あります。
自社で取り組むだけでは限界があり、不具合の根本からの改善は中々されないのが現状です。
そのためお客様と一体となり事故ゼロに向かって努力していく必要があるのですが.......
多くのお客様にはきちんと尽力いただき、共に事故を減らしていけるように工夫していただいているのですが、
時々、「我々は荷物を作るのが業務。運ぶのはあなた方の業務。なんとかしてくれ。」
と投げやりに言われてしまうケースもあります。
例えばフォークリフトで製品積込中に転倒する事故が発生したケースがあるとします。
お客様の立場から見るとどうこう考えることが普通だと思います;
『乗務員の不注意?力量不足?ルール未遵守?教育不足?…etc 』
乗務員(輸送会社)側に100%の責任があると思う方が多いと思います。
ですが、輸送会社の立場としては、このような見方もあります。
『乗務員の不注意?力量不足?ルール未遵守?教育不足?荷姿?作業時間?…etc』
たしかにお客様からのご依頼で輸送をしている最中での事故の場合、自社が悪いという原因から分析をします。
事実、ドライバーの技量不足や手抜き作業や基本ルール未順守などの事故もしばしば見受けられます。
ですが事故の要因の中で人的要因ともう一つ ”物的要因” が原因になる場合も多くあるのです。
しかし、輸送会社から荷主様へ「工場側にも原因があります!」とはほとんどの場合、言えないのが現実です。
出荷の荷姿が悪い場合などでも、リフトで荷物を扱った時点で輸送会社の責任。
「出荷場までは運ぶことができているのだから我々は悪くない。」
そんな風に頑ななお客様も中にはいることを乗務員にきちんと認識してもらい、
自分のことを自分で守れるように出荷場での目視確認の重要性について理解させることが必要です。
どこからどこまでが輸送会社の責任なのか....
海外では、荷積み・荷卸しは工場や倉庫側が行い、ドライバーは積載物を届けることだけが主流です。
ただし逆に考えると付帯作業ができることが日本の物流の強みでもあるため、
事故ゼロに向けて、明確な基準と相互の協力を共に進んで考えていただけるお客様がもっと増えると、
自社だけでなく業界全体の事故への意識も変わっていくように思います。
1日でも早く事故0で品質の高い輸送が実現できる日を迎えられるよう、
三密NGの世の中ですが、業務を介してお客様と密に関わり、ご理解を頂けるよう進めていくのが
管理者としての勤めだと思います。